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木皿泉xPerfumeのドラマ「パンセ」見ましたか?
- 2017-04-20 木 00:58:57
- 音楽
ドラマスペシャル「パンセ」で Perfumeの3人がドラマ初主演です。
脚本は「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「昨夜のカレー、明日のパン」などをてがけられた木皿泉さん。タイトルのパンセは、3人にちなんで3色スミレからつけたそうで、本棚にあったパスカルのパンセも本編に引用されたとか。
なんだか哲学的な匂いがしますが、木皿さんのこれまでの作品はどれも哲学的な部分を内包してます。現実社会でだれもが遭遇しうる重いテーマも、奇妙な舞台背景や偏った人物設定、コミカルなセリフまわしによって、すとーんと落としてみせる爽快さに木皿作品の魅力があると思っています。
力丸(りきまる)の面倒をみるという条件で洋館を買った幼なじみの3人。てっきりチャウチャウ犬だと思い込んでいた力丸が、実は45歳のひきこもりのオッサンだった。
かなり有り難い設定も木皿さんらしい。そこを超えてどんな人間ドラマが展開されるのか、しかもPerfumeの3人をイメージしてあて書きされたそうで、木皿さんの目に3人はどう映っているのかも気になって気になって。役名からして語感を似せてありますし。
どんちゃん(あ~ちゃん)
おかみど(かしゆか)
のりぶう(のっち)
「Perfumeのドラマ」と「木皿泉作品」という2つの側面がどう融合したのかしなかったのかも。ワクワクしながらテレビの前でスタンバイしてました。
ネタバレもあるよ~w
光のように
楽しい時間はあっという間でした。観終えて(こころの)第一声は、
あ~!面白くなってきたところで終わってしまった~
もっと観たい!続きが観たい!
「いってきます」
「いってらっしゃい」
「おかえり」
「ただいま」
当たり前すぎてこの言葉で胸が熱くなることってありませんが、パンセは熱くなりました。ふだん当たり前と感じてることをありがたいことだと思い出させてもらった至福の時間でした。
あて書きされただけあって3人はいつもの3人でしたし、ファンが悶え死ぬレベルのPerfumeネタも満載でした。なによりこの3人だから成立した秀逸なドラマでした。あー幸せ♪
ひとついうと、チャウチャウがオッサンだったという設定よりも、そうとわかってすんなり受け入た3人の方が有り難い。ドラマだから「奇妙な共同生活のはじまりはじまり~」で成り立つのかもしれませんけどゴリ押し感はありますね。
ただひとつ、受け入れることが出る何かがあるとすれば「Perfumeの3人だから」ということしか思い浮かびませんでした。受け入れ難い現実でも始めた以上3人で前向きにコツコツ続けてきたことをファンはよく知っています。
やっぱりPerfume、ありがたい。
おいしいレシピ
木皿さんの作品には食事や調理のシーンが度々出てきます。「昨夜のカレー、明日のパン」では「食べること=生きること」として顕著に且つ印象的に描かれていましたが、パンセではどうだったのでしょう。
洋館でむかえた初めての朝。布団の上で各々朝食を摂る3人。まあだらしないと言うか、ゴミかなんだかわからないものが部屋中に散乱して汚い。力丸じゃなくても引くレベル。この時はまだ力丸をチャウチャウ犬だど思い込んでいるので、個々の思惑(私欲?)が渦巻いてる状態を表現されているのでしょう。
この後3人は、力丸が潔癖症のオッサンで洋館ごと売られた境遇だと知り本人とも遭遇します。ひと騒ぎの後はキッチンのシーンへ。おでんの出汁(だし)をとるため「いりこ」の頭を取りハラワタを取り除いている3人。ひとつひとつ丁寧に。丁寧に。
出汁の取り方については木皿さんから資料が渡されたそうで、こだわりをもって描かれたシーンなのです。
「力丸相当歳なんじゃないの?」
「すぐ死ぬかな?」
「死ぬ死ぬ♪」
出会う前、こう言っていた3人が、いりこ出汁のシーンでは
「大変だろうね・・・あの人、今までももこれからも」
「さぞかし困惑してるだろうね」
と、180度違う会話をしています。出会う前後の心境の変化が2つのシーンで対照的に描かれています。パンセにおいて「食」は、心を写す鏡として用いられたようです。
食事と調理のシーンに注視すると、登場人物の心境の変化がより見えてくると思います。
物語の筋から外れますが、レモン鍋を囲むシーンはお気に入り。「鍋」が同じものを共有する象徴になっていることに加え3人の役割分担がね。進行するあ~ちゃん、丁寧に状況を説明するかしゆか、自由なのっちw まるでPerfumeのライブMCかPTATVを見てるようでほっこりですよ。木皿さんが良く見てくださってるとわかり嬉しくなりました。
さらに外れますが、度々描かれた食事シーンで、3人が食べたのは結局のっちさんのイチゴだけでしたw 他は口元まで箸を持っていったけど切られてるとかw 食べながら演技するって難しいと聞きますので、お手柔らかにしてくださったのかなw だとしたら間違い。課題が難しいほど燃えるのがこの3人です。
しかしイチゴを頬張るのっちさんがかわいらしい♪ごちそうさまでした。
宇宙探検者 その1
力丸の部屋を探索に来た3人。初めて見る世界観に圧倒されて言葉にならない。
溢れるように、ボソっつと、
「スノードームの中にいるみたい」
「ゆっくり時間をかけて変わっていったんだろうね」
「ちょっとずつ成長してるんだ」
私なら「なにこれ!凄~い!」って感嘆の声をあげてたところですが、3人は僅かな時間で状況をのみこみ、少ない言葉数で力丸への理解を確かめ合っているようです。
その裏には「違う場所に行きさえすれば変われる」と思っていた自分とは対照的に、逃げ出せない状況でも自分の理想の小宇宙を作り上げた力丸への強いリスペクトがあるのでしょう。
このシーンをはじめとして、3人は勘が働くというか抜群に察しが良い人物として描かれています。なぜ?何があった?もう一時間あれば3人の背景や関係も描けてPerfumeを知らなくてももっと感情移入できただろうと思うと少々惜しところです。
逆にPerfumeのファンは、疑問を感じることなく「いつものゆるゆる3人♪むふふ♪」てな具合に口元緩ませながら流したでしょ。私が緩みっぱなしでしたからわかりますw
3人仲が良いのはよく知られる所ですが、ただただ仲が良いわけではありません。雑誌のインタビューで「そんなこと考えてるなんて知らなかった」という記事を目にすることもあり、Perfumeのことは徹底的に話し合っても、プラインベートにはお互い踏み込まず程よい距離をとっているようです。
同じ方向を見て、お互いを感じとれる距離を保ちつつ、綺麗な三角形を描き続けている、Perfumeってそんな3人です。
「日本人の信条は察しと思いやり」って名言知ってます?
宇宙探検者 その2
ひきこもりの力丸が意を決して門を出るシーンは格別でした。のりぶうと力丸の短い言葉のやりとりに息を呑み、のっちさんが演じてるということも忘れて引きこまれました。
キッチンにいるどんちゃんとおかみどの元に駆け込んできたのりぶうが、力丸が門の外に出たことを告げる。
「大丈夫かな?」
「追いかける?」
「いや、待とうよ♪」
「待つってココで?」
「だって帰ってきて誰もいなかったら可愛そうじゃん」
「おかえりなさいって言ってあげたいよね」
「想像してみて、何十年ぶりかのおかえりなさいだよ」
「そりゃぁ宇宙から地球に帰還した時ぐらいの感動かも!」
「そうだよね!凄いことだよね!」
「皆さん、力丸の心にいつまでも残るようなおかえりなさいを全力で言いましょう!」
「言うよ~、オーーー!」
力丸のために3人が結束する良いシーンでした。ここで一緒に「オー!」と叫んだのは私だけではないはずですwww
ただ「宇宙から地球に帰還」ってwww ちょっとスケール違いずぎじゃね?という違和感がありました。昨年はアルバム「COSMIC EXPLORER」がリリースされ半年間に渡るツアーを演ったところだし、木皿さんも京セラドームに参加されたそうなので、この時点ではファンサービスくらいに思っていました。
ところが、この違和感はあの「横断幕」へのフリ!
まさかの「トップをねらえ!」のラストシーンのオマージュとは意表をつかれましたw
「トップをねらえ!」で作画を担当されていた貞本義行さんとは、メルセデスベンツとコラボの際、キャラクターデザインをして頂いた縁がありましたが、「トップをねらえ!」がオマージュの塊みたいな作品でしたので「横断幕」に元ネタがあった可能性はありますし、気にせず書いたら結果的に横断幕に行き着いたのかもしれません。
正解はご本人のみぞ知るところですが、仮に木皿さんが「トップをねらえ!」のオマージュとして横断幕のくだりを書いたのだとしたら、「もしかしたら、思いっきりはずしてるかもしれません」というコメントは、木皿さん一流の壮大な「フリ」ってことなりますね。見事術中にハマり気持ちいいほど外されましたよ、木皿さんwww
いつか失ってしまうのが怖いものほど美しい
私がちまちまとこのエントリーを書いてる間にビッグニュースが飛び込んできました。
Perfume NEWS より引用
Netflix (ネットフリックス)にて、独占配信が決定!! NEW!!
Perfumeが初主演をつとめました、テレビ東京ドラマスペシャル「パンセ」ですが、多くの反響をいただいたことや、見られない地域の方々の熱い要望にお応えしまして、この度、Netflix(ネットフリックス)にて、独占配信が決定いたしました!!配信サイト:Netflix(ネットフリックス)
配信期間:2017/4/19(水)~ 1年間(予定)
※配信期間は変更になる可能性がございます。
※配信は日本国内限定になります。
たくさんの方に3人のドラマを楽しんでもらいたいと思い書き始めた第一目標はこれで達せられました。
オープニング映像のこととか、他の木皿泉作品から持ち込まれた言葉のこととか、書き残したことはまだあるのですがそれはまたの機会に。
笑って、胸が熱くなって、ほろっと泣けて、ほっこりして、ライブ会場を出た時のような幸せを感じました。木皿さん、テレ東さん、ありがとうございました。
誰かひとりが抜き出ることがないようにとキャスティングされたPerfumeは見事このお話にハマりましたね。ひとりひとりを見たら得手も不得手もある普通の女性ですけど、3人揃うと魔法のように歯車が噛み合い、Perfumeという完璧な人物を形成しますから、奇跡みたいな3人です。
ファンを自覚して初めて書いたブログにこんなことを書きました。
もし、Perfume に解散する時が来ても、快く送り出したい。
彼女達には、好きな人と結婚して、子供を産んで、家族を大切にして、
誰もが憧れる、理想の日本人と言われるほど、幸せになってほしいと願います。
そしてたまにTVに出て幸せそうな姿を見せてくれると嬉しい。— 私はこれで、Perfume にハマりました より —
この気持は今も変わてないしPerfumeを想うときは常に頭の隅にあるくらい、パンセの続きが見たいのも本音ですが、役者の道に進んで欲しいとはこれっぽっちも思ってないことを断言しておきます。ステージの上で歌い踊っているPerfumeが一番輝いていますから、時間が許す限りステージに立ってもらいたい。その機会が削られるのであれば連ドラとかやめてくださいよテレ東さんw
ドラマは年一くらいで丁度いい。一年間積み上げた経験をもって来年の春に2時間位で「パンセ2」をお願いします。再来年の春も、その次の春も。気づいたら北の国からや寅さんのような人気シリーズに育っていたというのが理想です。
最後にのりぶうを演じた「のっちさん」について。よく男前と言われたり、スイッチが入った時のカッコ良さは抜群で、ドラマでも飾らず気持ちをストレートに言う女性として描かれてましたね。でも本当は人見知りの恥ずかしがり屋さんで自分から前に出るタイプではありません。イジるよりイジられたいタイプ。男前な発言もよく考えて尋常じゃない覚悟の上ですし、あ~ちゃんに促されて本音を白状するみたな事は常ですので、のりぶうよりはずっと乙女なのです。そんな面がさっぱり見られなかったのは、のっちさんがしっかりと役作りして臨んでたってことです。
乙女なのっちさんはぜひライブで確かめてみてください。
自由でマイペースなところはのりぶうのままですがね。
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